トンデモ本について思うこと。:空想科学読本

トンデモ本の世界。世間に出回るとんでもない本を笑って紹介する本ですが、あんまり笑っていられません。何せ自分がそのトンデモ本を疑いもなく信じていることがあるのですから。

表題の、柳田理科雄氏および空想科学研究所が書いているこのシリーズ。
ゴジラ、ウルトラマンなどのアニメ、特撮ヒーローの科学的矛盾点を指摘して笑い物にするというものです。
最初読んだとき爆笑させられたので(チェーンメールのアルプスの少女ハイジとか)私はこれまで空想科学読本1〜4、空想漫画読本1〜2、空想映画読本、空想法律読本を読んで来ました。

制作者の無知を笑うというのは悪趣味な物で不愉快ではありますが、もともと制作者達には確信犯的な部分もありますし、また柳田氏のあとがきなどを読むと一応空想科学世界に対し敬意を持っているような文章を書いている。本人なりに愛情を持った上でおちょくるならばまだ許せる。と考えて許容することにしました。
そして今後も面白い思いをさせてくれるのではないか、と期待して読み続ける ことにしました。
しかし。
私は特撮物があまり好きではなく、(嫌いと言うことではなく、文字通り好んで見ようとは思わないだけです。) ゴジラもウルトラマンもよくわからないし映画もろくに見ていないのででその辺は笑えるのですが、マジンガーZとか漫画とかは知ってる物になるとあまりにも設定の不理解さに腹が立つこともしばしばでした。
もちろん特撮でもおいおいそれはこういうことだろう、とつっこみを入れることも多かったし・・。そのせいで一応疑いの目は持っていたのですが、ついだらだらと読み続けていました。

そんな中で最近出版された(5月ですね。近所の本屋に置いて無かったので知りませんでした)のが山本弘氏の 「こんなにへんだぞ!空想科学読本」です。
かねがね空想科学読本シリーズに対する疑問も合ったので早速購読してみることにしました。
そうしたら出るわ出るわ空想科学読本の矛盾点。
目から鱗が落ちたり、そうそうと手を打ったり。
それと同時に・・・
「気付よ自分!」
落ち込みました。だいたい私はこうなんです。あの超トンデモ本の脳内革命だってどう考えても今まで得てきた知識と矛盾しているのに何となく信じてしまったし。
全然反省してないじゃん。

というわけで、自分もこういう点に疑問を持っていたんだ。と言うことを書いてみます。
こんなにヘンだぞ空想科学読本の二番煎じもありますがショックに対する自衛手段ということで。自慰行為ですが。
空想科学読本、こんなに変だよ空想科学読本のネタばれがあるのでご注意下さい。。


1.おかしいと思ってたんだよ

空想科学読本

・光子力エネルギーで動くマジンガーZは電車1両の38分の1の力しか出せない。

マジンガーZは新元素ジャパニウムから生成する光子力エネルギーにて動作するわけですが、柳田氏は漫画に触れられている光子力はよくわからないからと言う理由で現実の光子力、 太陽電池で動かそうとするのですね。
んなもんでロボットが動く分けないだろう。
これは酷い、ただのいちゃもんじゃないか。と腹が立ちました。

この辺でこいつは文句をつけるために文句を言っているんじゃ無いだろうか。と思いましたね。
思ったままで居れば良かったのに。

 

・レッドキングを背負い投げで地面にたたきつけるとダメージはウルトラマンの方が大きい

レッドキングをたたきつけると衝撃が最大に伝わる表面波の地震が発生しウルトラマンは転倒、周囲は大損害。
轟音が発生し聴覚の鋭いウルトラマンは気絶する。
その為背負い投げを使うとウルトラマンの方がダメージが大きい。と言うのが柳田氏の主張。
前半の周囲に被害が出るという話には同意します。(だまされてる?)
しかし、何でそれでレッドキングにダメージが無いと言うのでしょうか。
地面がそれだけのダメージを受けたと言うことは、その反作用がレッドキングの体にかかっています。
マグニチュード3.5の地震を発生させる衝撃が背中に集中しても無傷だと言う根拠はなに?
大体マグニチュード3.5の地震なんて数字だけ見れば微震です。表面波の地震がどれだけ強烈かは知りませんが、たとえ人間にとって見れば天変地異であったとしても、身長40mのウルトラマンにとっては柔道家が相手を畳にたたきつけたときの振動程度の物ではないのでしょうか?

 

・ウルトラマンは体重が人間の50万倍なのに骨の強さは人間の5千倍しかない。ウルトラマンは超虚弱体質だ。

ウルトラマンの身長は人間の22倍ですから、体積は人間の22の3乗で1万倍。 ということは骨の体積も人間の1万倍。
1万倍の骨が5千倍強いなら5千万倍の重さに耐えられるので人間の100倍強靱ではないでしょうか。


・マッハ5で飛翔するウルトラマンやギングギドラはソニックブームで首が飛ぶ

物体が超音速で移動すると、音の衝撃波、ソニックブームが発生します。ウルトラマンやキングギドラは流線型ではないので、超音速で飛翔するとソニックブームの衝撃を受けるのはその通りでしょう。
ですが、ソニックブームってそんなに強力なんですか?ゴジラの体当たりを受けてもびくともしない(しないことないか)キングギドラを一撃で殺せるほどに。
別章でもソニックブームが出てきますが、どうも柳田氏の文章を読むとソニックブームに触れるとあらゆる物が消滅するらしいです。
となると超音速で飛来する物体は衝突するよりもそばをかすめてソニックブームを発生させた方が遙かに強力なんですね。
で、ソニックブームの衝撃波の威力を調べてようとして見つからなかったのですが、柳田氏本人が別の本で計算していました。(だったら何で同じ章の中に書いてないんでしょうか。・・・いや、もう理由はわかりましたけれどね。)

「空想科学研究所の柳田理科雄氏に計算して貰ったところ、009が地上をマッハ3で走った場合、左右26m以内にある物体はプロ野球選手に思いっきりバットで殴られたのと同じ衝撃を受けるという結果が出た。」(空想法律読本P187)

マッハ3で、バットで思いっきり殴るぐらいの衝撃だそうです。
・・・マッハ5だと原爆100発分に跳ね上がるのでなければ、柳田氏は東宝のゴジラより巨人のゴジラの方が強いと思っている様です。

 

空想科学読本2

・怪獣を倒さないより倒した方が損害が大きい(空想科学読本2)

どういう論旨かというと、怪獣を倒すと死体から流れる血、血に含まれる宇宙細菌、バクテリアの影響で広範囲が影響を受ける。海で倒せば海域が全滅。焼却すれば有毒ガス。怪獣は倒すよりも好きなだけ暴れさせて帰って頂く方がいい。
という物ですね。この辺の被害の大きさはある程度同意しましたが、(ここはだまされてる)
怪獣が死んで発生する被害はそこで終わりますが、怪獣が生きていて発生する被害は永続します。
一通り暴れたら勝手に帰るという保証があるならそれを示して頂きたい。そうでなければ最終的には被害額は無限大になるはずです。
まあ翌週やってきた怪獣と同士討ちして死ぬ可能性もありますが、しかしその場合は一週間蹂躙された分の被害額プラス怪獣同士の戦いによる被害額プラス怪獣が殺されたらやっぱり体液による被害が発生してその二次被害額が合計されますが。あ、戦闘機代、ミサイル代は節約できますね。
当然勝ち残った怪獣による被害が継続するので上手いこと引き分けない限り被害は継続します。
消費税が86%に跳ね上がるの項以外でも空想科学研究所の意見は戦うなという結論に達する場合が多いですが。
確かにどうしようもなく強大な敵におそわれたらいいから逃げろというのは正当な主張ですが、倒す手段があるのに倒すなというのはでたらめではないでしょうか。

 

・地底怪獣決定戦

怪獣図鑑の地底怪獣の分類が変だと言うことはその通りだと思います。
怪獣達の脱落のさせ方はでたらめだと思いました。
勝手に追加して勝手に脱落させてるし。唯一残ったゴルドンにも結局ケチつけてるし。
じゃあいないって言っておけよって。


空想科学読本3

・北斗七星と蟹座を飲み込んだバキューモンは天文学的単位よりもでかい

バキューモンは北斗七星、蟹座を飲み込んだので北斗七星から蟹座まで胴体が伸びている。
しかし、北斗七星と蟹座の間の星は変わらず瞬いている。ということは、人間の視界に入らないように5000光年彼方まで体を迂回させている。

北斗七星と蟹座に沿って体が伸びている、と言う話は別に良いのですが(本当は良くなかったのですが気付きませんでした)、何でわざわざ視界をまたがないといけないのでしょうか。
肉眼の見える限界は5000光年だそうですが望遠鏡を使えば何の意味もないですし。
見えないって事は口のない部分は見えないほど細いという事じゃないでしょうか。全くの蛇足にあきれました。

 

空想科学漫画読本1

・ゴールポストを蹴ってゴールバーに飛び乗る翼君の運動能力は常人の数万倍

キャプテン翼で描かれている選手達の運動能力がとてつもないのは言うまでもない事実です。
日向君のシュートはゴールネットを貫通する破壊力ですし
立花兄弟は化け物なみの跳躍力です。
また空想漫画読本1の別項目、若林君がゴールエリア内から打たれたシュートに三角蹴りで追いつくのは絶対不可能でしょう。漫画の効果としてシュートした時間と若林君が三角蹴りした時間がひっくり返って描かれているとすれば説明可能ですが。
ただ、このシーンをみてそんな究極的な運動能力が導き出されるとは思いませんでした。
垂直な壁を蹴って上に飛び上がるというのはそんなに難しいことでしょうか?
まずゴールポストに向かって足をのばした状態で跳躍する。
ゴールポストに足が着いたら前進する勢いを殺さないように足を曲げる。
足が曲がりきったところで上に向けて跳躍する。
もちろんこれでゴールバーに着地する運動能力は尋常ではないです。
子供用サッカーゴールは高さ180cm程度(私の母校では)ですので、ランニングジャンプ+垂直跳びで それだけ跳躍しなければならない。また、足が着いてから体がゴールポストに激突するまでは一秒もないでしょうから素早い反射神経が要求されます。
小学生には不可能でしょう。しかし常人の数万倍と言うことはないはずです。
とりあえずマイケルジョーダンとかなら楽勝だとおもいます。
いざとなれば手を使えば絶対できますし。

柳田氏は最初翼君のことをゴールポストに当たると絶対に跳ね返るゴムまりだと思っていたようですが、考え直しても手足のない直方体だと思っているようです。

 

・ドカベン岩城の打球を受けたセンターがピッチャーのクラブを弾き、センターを一回転させたのは
打球の威力が数万トン以上だから。

柳田氏はセンターが転んだのは50kgの物体が倒れる破壊力をうけたから、と考え、末端の速度を決定し、
そこからピッチャーのクラブを弾く衝撃を加算し、岩城の打撃力を計りました。
しかしセンターを転ばせる計算がおかしいです。人間というのはバランスを崩せば転びます。
氏は脅かされてびっくりして転ぶなんてあり得ないとでも言うのでしょうか。
そもそもそんな衝撃を受けたら転ぶ前に腕が折れると思いますが。
もちろんピッチャーがよほど緩くクラブをはめていたのではない限り、クラブを弾いたボールがさらに勢いを持って飛んでいくと言うことは岩城の腕力が桁外れなことを物語っています。
ありふれていそうなプレイなのに桁外れな力が発揮されていると言うことは計算が間違っていると言うことなのですね。


・ベルセルクのガッツはあんなでかい剣をもてるはずがない

剣の重さは165kg程度。ガッツの重さは90kg程度。と言うことは重心が剣にある。
その為剣をのばしたりすると絶対に倒れる。と言う主張です。
ガッツの剣の重さは同意です。ガッツの体重はもう少しあると思いますが剣より軽いことは同意です。
また確かに重心が体から外れていると転びますし、普通の人間があれだけでかい剣を片手で振り回すの は不可能です。
しかしどんなに腕力があっても絶対転ぶというのは?
自分より重い物を持ち上げるときは、まずその重い物の重心を自分の重心に乗せるはずです。
つまり、この「まず」の課程では重心が体から外れているわけで、これができないのでは自分より重い物は絶対に持ち上げられないと言うことになります。
できるならばそれを継続すれば重心が体から外れていても持ち上げられるはずです。
もちろん体力を消耗するので足を開いて踏ん張った方が楽なのはその通りですがガッツが突っ立ったまま剣を振り上げるというなら勝手にすればいい話です。転びそうになったら足を開くでしょう。
この姿勢で剣を持っていると言うことはガッツの脚力は何トン、とか分析すれば良いのでは?
ガッツが常人の何倍強いのかは私も関心があることです。
軍隊が全滅させられる使徒を一人で倒すのですから常人の何倍でも驚きません。一兆倍とかだと驚きますが。そう言うことを分析するのがあんたの仕事じゃないんですか。
最終的にガッツの体重は1.1tならいいと分析していますが、と言うことは1.1tの脚力でいいのでしょうか。
その程度なら漫画から受ける印象からすれば大人しい物です。
とにかく絶対無理というのはおかしいです。

 

・空想漫画読本全般

総合的に漫画なりの誇張、効果と現実の区別が付いていない、というか自分の都合のいいように区別をつけている、と感じました。
なかなか不快でした。

 

空想漫画読本2


・体重を消す拳法の達人は質量を消しているのか重さを消しているのか。

柳田氏はこういうことを話題にしていましたが。
悠里が感じる重さを消したと言うことでしょ?
達人はジャンプして上昇中に悠里の頭に足を乗せる。
跳躍が頂点に達するまで足をのばして乗せ続ける。
落下し初めたら足を曲げて乗せ続ける。
これ以上足を曲げられなくなるところで降りる。
こうすれば1〜2秒は体重を感じさせずに頭の上に足を乗せ続けられます。
私には無理ですが達人なら朝飯前でしょう。


空想科学映画読本


・タイタニック:ジャックの沈む速度は速すぎる。ジャックは骨太で筋肉質で毛深かった。

私見ていないのですが。これを算出した根拠は目分量で見てこれくらい沈んでいるように見えたという
だけなんですよね。自分の判断にこれだけ絶対の信頼を置くというのはいかがな物だろうか。
海流の影響とかもあるでしょうし。



空想法律読本

これは柳田理科雄氏の著書ではないのですが激しくむかつきました。
部分的に抜き出してみると
「実に上手く立ち回っている。脱帽だ。もしやヤツには法律顧問がついてのではないか?」
(法律違反の見あたらなかったウルトラマンに対して。その後バルタン星人の大量虐殺が犯罪だと嬉々として語ります。)
「だいたいなんで刑事なんだよ、オマエは物だろ」(エイトマンにたいして)
などなど。
もう少しまともな論旨にならない物だろうか。ああ、僕らのヒーローがこんな犯罪を犯していたなんて・・ というように。
こいつの記述にはヒーローに対する愛情なんてかけらも存在せず、悪意に満ちている。と感じました。
そもそも現行法を空想科学の世界に持っていくというのは無茶なのだ。
怪人も宇宙人もいない世界の法律をいる世界の法律に当てはめるのがまず無茶であるし、そもそも法律なんて物は秩序を守らない相手には何の意味もない。宇宙人のような全く別の倫理観で生きている物に日本の法律を適用するなんて愚の骨頂。
怪獣に法律違反を説けば帰ってくれるというならせめて北朝鮮相手に実行してから主張していただきたい。

 


2.ああだまされた。

山本氏が指摘する、柳田氏の故意か無意識のミスはたくさんありますが、シーゴラスが津波を起こしたのは東京湾の中とか、放送当時御前崎原子力発電所は存在しなかったなんて知識は全く有りませんでしたので、そういうのはただ新鮮な驚きを持っていられました。
もちろん、なるほど、と思っていたことが実は嘘だったというのが多々あり腹は立ちましたが。
しかし、山本氏が指摘している中で、自分の知識で考えてどう考えても変と言う項目がいくつもあり・・。
これくらいは気づけるだろお前という、心底落ち込んだネタです。


・50mゴジラの適正体重は295t、40mのウルトラマンの適正体重は860t

変ですよね。
気付よ・・・。


・ブレードランナーのレプリカントは1600光年先のオリオンで働かされていた。

設定については見てないから、と言うことで言い訳できますが・・・。
1600光年彼方のオリオン座まで光速で行って来たレプリカントが 帰ってきて反乱を起こしている、という下りがおかしいことに気付かないとは・・・。
3200年経ってるじゃん。
いや、これはたぶん1600光年と言うことは超光速航法と勝手に連想したんですよね。
・・・光速の99.9%で移動してるから1年しか経過しないとか明記してあるし・・。
・・・恥だ・・・。


・師走の町を失踪する北島マヤは二つの岡持を水平に掲げなければならない

基本的に主題である「走って出前を完了することは不可能」と言うことは正しいので、 だまされたとは言えません。
また、振り回してはいけないという意見はバケツをぐるぐる回せば水が落ちないように、 多少振り回してもこぼれないだろう程度には思っていました。
んで何に落ち込んでいるかというと・・・
ラップ。
だよね。
出前を一回でも取れば気付くよね。出前のつゆそばにはラップが張ってあることに。
ラップさえ張ってあれば岡持を落とさないようにしていればこぼれませんね。
・・・はあ・・・。


・DNAが8本だと寿命は3倍の早さで成長し、寿命は3分の1になる。

人間はDNAが2本だから一回の細胞分裂で細胞が2個になる。DNAが8本だと一回の細胞分裂で DNAが8個になる。つまり人間の3倍の早さで細胞分裂するので寿命は3分の1になる。

何となく違うだろう、と思ったんですが、どうして違うのかが全然考えつきませんでした。
言葉のレトリックに引っかかったんでしょうね。ばかだ・・。
人間が3回で分裂する数を1回の分裂で達成できるので、むしろ3倍長生きするといえるんですね。
子供から大人になるまでは3倍速で成長して大人になってからは3分の1で老化するという ファンタジーのエルフのような成長曲線を描きそうですね。面白い設定かも。


3.その他:間違ってはいないけど


・エヴァンゲリオン:人口の半分が死ぬとお墓が大変だ。

そりゃそうですが・・・ネタとしてつまらない。
エヴァンゲリオンをネタにしてそれしか書けないんですかあなたは。


4.その他:これはつっこみすぎじゃないか。

山本氏のSFファンなら常識の裏設定を知らないからどうこう、と言う。
それは言い過ぎではないかと思います。
例えばドラえもんのタケコプターが反重力で浮いているという点。
私もドラえもんマニアですので常識だと思っていますがプロペラで飛んでいるのをみればプロペラの勢いで飛んでいると誤解するのもやむを得ないと思います。
ドラえもんがタケコプターを取り出すときにタケコプターの飛行原理を説明した回は無いはずです。
批判するならそれくらい調べておけと言う意見もあるでしょうが、設定は作品内で理解させるのが理想です。作品内で与えられたデータだけを元に分析するのは全く正しいと言えるでしょう。

・・・もちろんすべてにおいてそうしているなら、の話です。柳田氏はそれ以前の問題ですのであまり援護する気にはなれません。
そもそもウルトラマンでは設定本を参考に批判いるわけですし、ドラえもんも設定本を読めと言う文句は正しいでしょう。
設定本は読まなくていいとしても、まともな意識を持っていれば、
 タケコプターはあんなプロペラでは飛ぶことはできない。
 なのにのび太やドラえもんは平然と飛んでいる。
 と言うことはタケコプターは反重力発生装置だ!
という当たり前な結論に到達するはずです。
柳田氏がこう言って自慢げにしているのを山本氏がそんな基本も知らんのかと責めているならば援護したくなりますが、柳田氏はタケコプターでのび太やドラえもんが空を飛んでいるという設定を
無視してわざわざタケコプターを危険な道具に仕立て上げているのですから。
大体ドラえもんの道具にはタケコプターなんぞより遙かに危険な道具がいくらでもあるでしょう。
・ポータブル国会 個人個人が好き勝手な法律を作り法制度が壊滅します。
・フエール銀行 一時間に一割という桁外れな利子が付きます。つまり一時間ごとに物価が一割上昇するという超スーパーウルトラインフレが発生し貨幣経済が壊滅します。
・もしもボックス あんな物が有ったらみんなで好き勝手な世界を作ってめちゃくちゃです。
・地球破壊爆弾 使えば地球が滅びます。


総括

コアなSFマニアによるSF批判は、技術的、科学的に高度すぎて素人には付いていけない点があります。
空想科学読本のおもしろさは、へなちょこな素人が科学知識をもとに変な結論に達しながら批判するところが、 素人目にわかりやすくおもしろい、と思いました。
変なところはパソコンに無知な親父がマウスでディスプレイをこするようなもの、と笑って許している気持ちでした。
ただそのおもしろさの理由は、面白くするために、都合の悪いデータは隠蔽し、正当な科学的な案は出さず、原作の設定をねじ曲げて無視したりしているからなのですね。
SFに全く無知だが誠実で科学知識が豊富な人が書いたので有ればこのような批判を受けることは無いでしょうが柳田氏ほど面白いと思われることはないでしょう。
科学を無視するのはエンターテイメントとしては問題ないかもしれませんが、書名で科学を銘打っているなら問題だと思います。原作の設定を無視するのは冒涜です。エンターテイメントとしても許されません。

もちろん柳田氏の主張がどれもこれも完全に間違いなんてことはありません。
明らかに荒唐無稽な特撮、漫画、アニメはたくさんあり、的確な指摘も有るのでしょう。
しかしそれを指摘して良いのはもう少し真面目な科学者であるべきではないでしょうか。

私は今後も空想科学読本を読んでいきたいと思います。
つっこみのネタとして。



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