9.

ごふ……ごふ……!
輪音が血を吹き出す。既に限界を超えていることは明らかだった。
「もういいっやめろ!」
俺は輪音を抱きしめ、その場から引きはがした。
輪音の力の発動が止まった。
「ひ…おきさま………」
かく……
輪音は気絶した。
「ぐぐ…お……おお………」
ずる…ずる………
時波聡子はずるずるとはいずりながら、去っていく。
「失せろ……二度と俺の前に現れるな………
現れればそのときは、俺と輪音が、貴様を殺す」
ずる……ずる……
聡子は振り返らず、そのまま、消えた。
……


「まったく、宿敵時波をを見逃すとはなんたる怠慢。この玖能の面汚しめ」
長老方の厳しいおしかりを受けてがっくり。
はあ。これまでは優等生だったんだけどなあ。
「日沖様…申し訳ありません。私が至らないばかりに……」
「いいんだよ輪音。おまえが無事でよかった」
ベッドにいる輪音の額に手を当てる。
「今はゆっくり休め。戦いはまだ続くんだから……」
「はい……」
輪音は安心したように、眠りについた。
もっと強くなって、そのときにはきっと…。

今は、ゆっくり休んでおこう。

輪音END